2011年10月21日

第6回大阪創造都市市民会議 総会およびシンポジウム 「これからの大阪を語り合う ~文化・原発・自治~」 ご報告

 さる9月17日(土)夜に、中之島中央公会堂にて開催、悪天候の中、講師を含め57名にご参加いただきました。

 第1部では、ヤノベケンジ 氏(ウルトラファクトリー・ディレクター/現代美術作家)のチェルノブイリ訪問で変化したご自身の作品と、原発事故や社会との関係、「水都大阪」への参画のスタンスなどの話を受けて、佐藤友美子 氏(公益財団法人サントリー文化財団上席研究フェロー)は、身近な地域のお祭りやイベントによって、コミュニティや世代間の交流やつながりが生まれるが、これを大きな都市で行うにはどうすればよいかが課題であると指摘され、河島伸子 氏(同志社大学教授)からは「水都大阪」においては、作品が美術館の外の日常生活の中にあることで、作品と空間が生き生きとし、作品をすっと受け入れることができた。つまり大阪という街を違った文脈で捉えることができるといった、アートと社会の接点についての提案を頂きました。

 また上原恵美 氏(京都橘大学教授)からは、愛知トリエンナーレや金沢市の文化政策との比較をもとに、大阪は行政が都市的文化装置(建物、専門家、作品)にお金を出さないと地盤沈下していくのではないかという、大阪の危機的な状況をご説明いただきました。
 鷲田清一 氏(大谷大学教授)からは、仙台メディアテークという文化施設が、3.11で一部損壊にもかかわらず、5月に図書館をリオープンさせ、そこに多くの人々が集っていた状況を取り上げ、東日本大震災によって多くのものを失い、さらに避難所等で他人との共同生活を余議なくされて、再び自分の時間を持ちたいと思ったときに読書をするのではないかという分析をされました。人それぞれに自分の中での時間の整理の仕方があり、ヤノベ氏の作品に、被災地の中での時間のあり方に通じているものがあると感じたとのお話でした。
 (なお、議事運営の不手際から、今井一氏(ジャーナリスト)の発言をいただく時間を取れなかったことをお詫びします。なお、お話しいただく予定であった「原発」国民投票のサイトはhttp://kokumintohyo.com/です。)

 続いて、第2部の参加者を交えた討論では、市民がアートを応援していく姿勢と、行政にしてほしいことを声に挙げていくことが大切で、行政はプラットホームを用意し、オープンな形で市民とアーティストが参画する場作りをする力を持っているという提言を頂きました。その一方で、アーティストや市民が場所を提供されて素直にやっているだけではなく、やはり、葛藤や悩みをエネルギーとすることも、アート作品の魅力の一つであるという意見も出ました。これに対して、大阪はもともと自治の気概がある土地柄であり、中央公会堂をはじめ、主な文化施設は市民の手によるもので、行政は市民の声を真摯に受け止める姿勢を持っていたのではなかったのか、という意見も頂きました。
 このように今回のシンポジウムでは、短い時間ながらも、アートという視点からの社会への参画や脱原発に向けた問題提起、またつながりのコミュニティづくりや新しい文化政策へのアプローチといった様々なテーマについてお話し頂きました。

 総会では、昨年度の活動報告および収支報告を行い、参加した会員より承認を頂きました。

 なお、今年度の会費の未払いの方は、今後のクリエイティブ・カフェの際に受け付けますので、よろしくお願いします。また、口座振り込みを希望の方は振込先口座について事務局にお問い合わせください。e-mail: info@creative-osaka.jp

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